2月11日

 夕方。引越し先に行って注文していた天井の照明を受け取った。配達時間に2時間の幅があるので待っているあいだ、まばらに家具の置かれた部屋の広い床でゆっくり時間をかけてストレッチをしたり、ベランダに出て煙草を吸ったりしていた。

 去年の11月ごろは肩凝りがひどくて、寝起きに背中に激痛が走っていちど整体に行った。整体は初めてで、何かトンカチのようなもので背骨を横から叩かれて痛かった。骨格の歪みは大したものでないと言われた。それからはYouTubeでいろんなストレッチの動画を見て、20分くらいかけてやる一連の動作がなんとなく決まってきた。20分かけてストレッチしろと言われても、サッカーをしていたときにやっていた通りいっぺんの前屈や開脚しかできなかっただろうから、これは財産と言っていいだろう。手の込んだ料理をひとつ覚えたようなものだ。

 肩が凝って攣ることはいままでもあって、寒いのが苦手なので冬によくなる。大学入試の2次試験で大阪まで出てきて、泊まっていた江坂のビジネスホテルから豊中のキャンパスまで行くあいだに初めてなった。急に肩から背中にかけて激痛が走って、体のどこを動かしても、息をするだけでも響いて動けないのでそこらへんの道端に座っていた。何が何だか分からず、ああもう試験は受けられないなと思った。どれくらいそうしていたのかわからないが、そうしているうちに痛みがちょっとずつ和らいで会場まで歩くことができた。あのときどんな気分で座っていたのかとても気になる。絶望していたんだろうか、まあいいやと思っていたんだろうか。ぜんぜん思い出せないけど、これはもう受けられないなと思ったのは覚えている。2011年の2月、ほとんどぴったり10年前のことだ。

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カテゴリー: 日記