3月4日

 午後1時半。書くのが遅くなってしまった。大学のスタジオで書いている。春休みとコロナでもともとがらんとしたキャンパスがもっと閑散としている。スタジオにも誰もいない。カタログやコピーされ切り刻まれた図像が散らばった、相変わらず犯行現場のような明源くんの制作の痕跡がテーブルに残っている。

 リポジトリに登録するための博論のデータを(わざわざDVDに焼いて)出しに来た。審査通過の報せを受けたあと、あれほど残りの手続きで抜かりないようにと思ったのに、結局昨夜遅くまで大和田俊論を書いていてバタバタしてしまった。つつがなく修了できるといいが。それにしても大学の事務では——迷惑をかけてしまったことがあるのも確かなのだけど——いつも冷たくされるので悲しい。阪大では福尾と呼び捨てにされていた。そんなことってあるだろうか。

 キャンパスに着いたときに生協でクラフトボスのカフェラテを買って、スタジオで書類を確認して事務に提出し、その帰りに図書館についているカフェが開いているのを見つけたのでコーヒーも買ってしまった。飲み物が好きなので何か見るとすぐ買ってしまう。蓋があるのでボスは飲みながら帰ろう。コーヒーは今飲んでしまおう。

 ここ数日なぜか、見たこと聞いたことは覚えているが自分の行為の記憶だけなくなる記憶喪失というものがあったらそれはどういう感じだろうかと気づくと考えている。でも何度考えても、そもそも記憶ってそういうものじゃないかというところに落ち着く。

 

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カテゴリー: 日記