3月29日

 12時。今起きた。昨日何をしたのかあんまり思い出せない。たぶん本を読んだ以外はそれらしいことは何もしていない。書店で何となく手に取ったロバート・L・ハイルブローナーという人の『入門経済思想史:世俗の思想家たち』というちくま学芸文庫の本が面白い。アダム・スミス以降の主要な経済学者・思想家について、その人となり、境遇、社会状況、思想のエッセンスを非常に手際良く交差させつつ紹介していて、近代史の勉強にもなる。スミス、マルサスとリカード、ロバート・オーウェンやサン・シモンらのユートピア社会主義、そしてマルクスとエンゲルスのところまで、本全体の半分ほどをひと月くらいかけてちまちま読んでいる。並行してこれもちまちま読んでいる的場昭弘『マルクスを再読する』(角川ソフィア文庫)もネグリ゠ハート的な観点を経たうえで改めてマルクスに帰ってみるという本で、とくに現代思想文脈から入るにはいい本なんじゃないかと思う。説明が丁寧なのでそうでなくても読めると思うし。マルクスにはいろんな本で入門を試みては跳ね返されたり、なんかだるいなとなったりしてきたが、総じてこの2冊はマルクス最速入門セットとしていい気がする。ハイルブローナー本でマルクスが出てくるまでの歴史的経緯を踏まえつつ大枠を抑えて、的場本で現代的な資本主義の観点からマルクスを捉えなおすという挟み撃ちで理解することができる。

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カテゴリー: 日記