4月30日

 集中力をゲームだけに使っている。いつか書いたが読書や執筆のときは集中することとぼおっとすることが背中合わせになっている感じで、集中一辺倒になるのはゲームだけだ。いつもやっているFPSゲームは画面中央に打たれたレティクルという点に敵を合わせて撃つことだけが求められるゲームだ。左スティックでキャラを前後左右に動かして、右スティックでキャラの向きを前後左右上下に操作する。左のトリガーボタンで構えて、右のトリガーボタンで撃つ。あとはしゃがんだりジャンプしたりアイテムを取ったりを他のボタンでする。水平方向の視野は90度ほどに拘束されている。慣れていないと移動と方向転換を同時にできず、ロボット掃除機みたいな動きになる。いちおう自分のキャラの手元がこれがあなたの手ですよと画面の両斜め下からにゅっと伸びているものの、これを「一人称」として経験するのはとても無理のあることのように思える。この無理を求めているのだろうか。作業のときの集中(というかなんというか)は電車で窓を流れる景色を眺めるのに似ていて、ゲームのときの集中は車を飛ばしているときに似ていると言えるかもしれない。どちらも意識が体から剥がれていくが、前者はそれが見ているものにへばりついていき、後者は自分の体とは別の体らしきものに移し替えられる。

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カテゴリー: 日記