5月4日

 マックで遅い昼ご飯を食べた。いつもは新しい洋楽が流れているのに、宇多田ヒカルのAutomatic、ミスチルのシーソーゲーム、奥田民生の何か気の抜けた旅の歌が流れて、昔の親の車に乗っているみたいだった。aikoとかスガシカオとか、SMAPのらいおんハートとか、そういう時代で、そういう歌はだいたいダウンタウンのHey! Hey! Hey!で最初に聴く。自分でCDを買うようになる前の歌だ。山から石を運んで降りるオレンジ色の巨大なダンプカーが列をなして過ぎていく国道沿いの団地、ブラウン管のテレビ。国道を挟んで向かいにある市民病院で生まれたらしい。小学校までは徒歩5分だ。北に行くとずっと山で、南に行くと小さな山を越えて湾岸の工業地帯がある。でもたいてい車に乗せられて行くのは西に向かって福山方面に行くか、東に向かって倉敷方面に行くかどちらかで、どちらに行ってもあるのはイオンだった。去年と一昨年、友達と車に乗り合わせて福島に行った。いわきから浪江に北上する国道6号線の、洋服の青山の大きな看板や派手な仏具屋の並ぶ景色が実家から福山に行く景色とそっくりで、でも一方は南北に、他方は東西に伸びる道なので変な感じだった。日本は名古屋あたりで折れ曲がっているので、西日本と東日本で主要な動線の向きが違うのかもしれない。右手に海があって、左手の山の方に陽が沈んでいく。そんなこと今までなかった。富岡あたりから帰還困難区域に入り、道の両側がフェンスで囲われている。

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カテゴリー: 日記