7月3日

 いつまで正直でいられるんだろう。5ヶ月と半分くらい、いまのところ正直に書いてこられたと思う。でも正直であることそのものには価値もないし、そういう義務があるわけでもない。たとえば研究であれば正直さというより研究対象や研究の規範への忠実さが公然と求められていて、それを支えにできるけど、日記の正直さにはその帰属先がない。というか、難しいのはそのなさを維持することだ。作業日誌みたいに対象とフォーマットを固定したり、自伝的に自分を中心として固定することを目的にしたり、小説みたいに書かれるものの統一性を目指したりして、正直さの拠り所を確保することはできるだろう。でもそういうことがしたいわけではないし、それはそれで面倒だし別種の辛さがある。中心を作らないことが日記的メタ正直なんだと言っても空疎な感じがする。それでも帰属先もなく証拠もなくそれでも正直に書くことに興味——最大限漠然とそう呼んでおく——があるのは確かだ。漠然としたものの確かさ。それが実感できているあいだは続くと思う。

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カテゴリー: 日記