7月21日

 すぐ書けるかなと思っていた読書エッセイが思ったように書けず、書評より難しいことになってしまっているんじゃないかと一日悩んでいた。そういえば今日発売だったと千葉雅也・山内朋樹・読書猿・瀬下翔太の『ライティングの哲学』をKindleで買って半分ほど読んだ。とても実践的な本だがすでに締め切りを2日延ばしてもらっている身で読むととても感じ入るところがあり、感じ入っている場合でもないのだけどと思って諦めて寝た。

 それにしても『欲望会議』もそうだったけど、千葉さんは異業種の人たちと喋ってその人らの変なところを最大限活かしつつ話を組み立てるのが本当に上手いなと思った。これは雑誌編集的なセンスともどこか違うし、論争的な座談会でもないし、日本の思想・批評シーンの歴史から見てもとても特殊な能力だと思う。『ライティングの哲学』では「自助グループ」という比喩がされていて、互いに「書けなさ」を吐露しつつそのディティールからノウハウが抽出されるところはまさにと思うのだけど、ポットラックパーティーみたいだなとも思う。それぞれの台所事情がテーブルにバラバラと並んでいて、これどうやって作ったの?というところから話が立ち上がっていく。

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カテゴリー: 日記