8月20日

 日記を始めて7ヶ月経った。1年で区切ってやめようと思っているので、もう完全に折り返している。とはいえ1年やったからといって何が出来上がるわけでもなく、やりきって何が完成するわけでもないものを自ら強いて書き続けるのがどういうことなのかいまだによくわからない。松江にいるあいだ滞在していた部屋はマンションの10階にあって、そのマンションには妙にがらんとしたエントランスがあって、通るたびにここでは何も起こりようがないなと思っていた。発泡スチロールみたいに白い光に満たされていて、ガラス張りになった2畳ほどの狭い中庭に砂利が敷かれ細くて低い木が1本生えている。中庭があることがかえってエントランスの空虚さを強調しているようで、その空間にどこか親近感を感じていた。通り過ぎる以外のことをしようとするととたんに手持ち無沙汰になるような空間。日記もそういう空間にある気がする。

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カテゴリー: 日記