11月9日

起きると大雨が降っていた。カーテンをすべて開けて外を見ていた。日記を書き終えて雨が止んで、外に出ると「参拝者最後尾」という看板を持った人が家の前に立っていた。すぐそこの金刀比羅鷲神社の酉の市が2年ぶりに開催される。大通公園沿いの道路に単管で組み立てられた屋根が連なり、50メートルほどにわたって所狭しと熊手が並び「山口組」とか書かれた提灯がぶら下がっている。まだ出店は開いていない。駅から桜木町に行って、みなとみらいのデサントの店でダウンジャケットを買った。マックで昼ご飯を食べて帰るともう出店も開いていて人が集まり始めていた。仕事が終わった彼女と待ち合わせて見て回る。横浜橋商店街の店々も軒先にテーブルを出して、キムチ屋はチヂミを売り、タイ料理屋はパッタイを、惣菜屋は焼き鳥を売っている。イカを焼く匂いが鼻を突き、熊手の購入者はハッピを着た悪そうな男たちの柏手で送り出されている。暗い公園には役目を終えた熊手がうず高く積み上がっている。家にたどり着くのにも苦労する人だかりで、なるべく冗談に聞こえないように彼女にこれがアフターコロナやと言ってみたが、あまり面白くないようだった。

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カテゴリー: 日記