11月14日

Spotifyのおすすめに出てきたWool in the PantsというバンドのWool in the Poolというアルバムを繰り返し聴いていた。思い出したのは、中学のときだったか、キューピーハーフマヨネーズのCMで流れたTommy GuerreroのIt gets heavyを初めて聴いたときのことだ。それが収録されている輸入盤のCDをHMVのネット通販で買って、アルバムタイトルのSoul Food Taqueriaの”Taqueria”という綴りと赤と黄色だけで描かれた南米風の街角に言い知れない異邦感があった。「国境の南」という曲名がメキシコを指すことを知らなかった村上春樹の小説の主人公のように。いずれのアルバムもダウナーなファンクで、重いベースが前に出て、呻るようなボーカルが低徊している。Wool in the Pantsのボーカルの「私」が「YTC」に聞こえる粘っこい節回しが独特で、高田渡のフォークソングから人生観を根こそぎにしたような乾いた歌詞が癖になる。1曲目のタイトルはBottom of Tokyo。それがどこなのかわからないのに生々しい。その乖離感がリアルだと思う。

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カテゴリー: 日記