11月23日

夜中にツイッターを見ていたら、K2RECORDSが閉店するというニュースが流れてきた。大阪の日本橋にあるレンタルCD屋だ。阪大時代によく行った。1階に邦楽、2階に洋楽があって、とにかく在庫が多くて、たくさん借りるほど割安になって、郵送で返却ができた。家が豊中市で店がミナミなので、数ヶ月にいちど行って30枚も40枚も借りて片っ端からパソコンに取り込んでいた。借りるときはケースから外して、ビニールのスリーブにCDとライナーノーツだけ入れてもらう。オウテカとか、ジョニ・ミッチェルとか、ボアダムスとか、憶えているものもあるが、大半はいちど聴いたきりで返していた。それでも少なくともいちどは聴いていたのだ。気に入るかどうかわからないアルバムを通して聴くことなんてなくなってしまった。取り込みの速度と、ライナーノーツを読む速度と、曲が進む速度と。中学から修士まではiTunesの時代で、それはつまり、異なる速度が互いに互いのバッファとなるような時代で、そのはざまで視聴は待機であり、待機は視聴であった。サブスクリプションも、数年前から流行っているらしいアナログレコードも、そうしたズレを許容しないという点において一致している。しかしそのズレに、忘れるかもしれないものの歓待がある。

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カテゴリー: 日記