12月26日

みなとみらいに髪を切りに行った。桜木町の地下から出るともう外は暗くて、ランドマークタワーにつながる長い歩道には海風が吹き付けていてとても寒かった。時間があったのでタリーズでキャラメルラテを飲んで、外の喫煙所に行った。湾に沿う街路樹には電飾がつけられていて、観覧車は刻々と変わる幾何学的な模様を映し出している。ニューヨークの湾岸にも遊園地があったはずだとか思いながら、柱が傾く扇風機のような乗り物から聞こえてくる叫び声を聞いていた。そういう空疎でピカピカとした、しかし途方もない土木のうえに成り立っている街を眺めていると、海を埋めたり人を振り回して叫ばせたりするのに比べてどれだけ書いても1メガバイトにも満たないような自分の仕事がとても心許ないものに思えてきた。日記の公開ボタンを押して、できあがった記事を確認するときも似たような気持ちになる。一日が発光するディスプレイを滑る厚みのない文字になってしまう。

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カテゴリー: 日記