1月8日

朝から歯医者に行った。親知らずの抜歯。寝椅子に座ってうがいをして、横になる。歯茎に麻酔の注射を2本ほど打たれた。起きてまたうがいをする。動悸がしてきて、緊張しているのかと思ったが、あとで調べてみたら麻酔にはアドレナリンが入っていて、それで血管が収縮して動悸がすることがあるらしい。寝かされて何かで突っつかれて麻酔が効いているか聞かれる。はい(あい)と言うと先の鈍い器具に持ち替えて抜き始めた。痛みはないが、歯に乗せられる体重が顎の骨に響き、歯の上でガリガリと滑る器具の音が聞こえる。器具がすっぽ抜けてあらぬところに突き刺さったりしないのだろうかと考えていたら起こされた。歯茎が少しかぶさっているところだったのでてっきり切開したり、中で歯を割ったりしてから抜くのだと思っていたら、彼女が上手だからかそのまま抜けたらしい。根元が1センチほどもありそうな長い歯がトレイに転がっている。いるかと聞かれたのでいらないと言った。受付でお金を払うとまたクリーニングをしに来ることになっていて、再来週の土曜日に予約を入れた。帰り道に、でももうそれは日記には書けないんだと思うと、とても寂しい気持ちになった。夜、シャワーを浴びているときに口の中に何かがあるなと思って手に出してみると、トマトの果肉のような血の滲んだ歯茎のかけらで、お湯ですすぐと透明になった。

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カテゴリー: 日記