日記の続き#34

『日記〈私家版〉』の箱が宅急便で届いた。本体ももうすぐ届く。箱といっても折り目の入った型紙の状態で送られてきて、それをひとつひとつ組み立てないといけない。『パラサイト』みたいだなと思いながら組み立てる。僕が幼稚園に入る前、母も内職で段ボールに山ほど入ったボールペンを組み立てたり、スーパーファミコンのソフトにシールを貼ったりしていた。車で工場まで持っていくのによくついて行った。牛乳配達もしていて、巨大な冷蔵室の冷たいコンクリートの壁や致死的な重たい扉を憶えている。僕が小学校に入ると訪問看護を始めて、それがなんだか誇らしくて担任の先生にわざわざ報告した。組み立てを手伝ってくれる妻にそういう話をした。彼女のほうが僕より手早くて、50個ほど組み立て終わった。でもまだ365個には遠い。365日ぶんの日記の、365ページの本の箱をひとつひとつ組み立てる。何かの儀式みたいだ。ショップ(BOOTH)で注文受付を始めたのでぜひチェックしてみてください。