日記の続き#62

去年も日記を始めて2ヶ月ほど経ってから、1年やり切ったら次は各日記の虚構の「次の日」を書くんだとか、各日記を書き換えて別バージョンの1年ぶんの日記を作るんだとか、そういう謎の計画を立てていた気がする。それが流れ流れて、一方では日めくりカレンダー型の本を作るということに帰着し、他方ではこの「続き」を書くということに落ち着いた。本はともかくこの「続き」がなんなのかいまいちまだピンと来ていないところもあるのだが、それもまあやっていくうちにどこかに落ち着くだろう。それで、いま妄想しているのは「続き」の次にやることで、「映画」を作るのがいいんじゃないかと考えている。そう思った理由は、博論の内容に関係することとか、蓮實重彦の批判からあらためて彼のやってきたことを考えたこととか、そろそろ学部を出てから疎遠になっていた映画に帰ってくるサイクルなんじゃないかとか、「日記映画」があるんなら日記の映画があってもいいんじゃないかと思ったこととか、いろいろあってぼやっとしている。ともかくこのサイトで映画を作るとしたらどういうものになるかを考えている。例えばこうだ。毎日更新するという方針は変えない。ただし日々交互に、footageとscriptというふたつの種類のテクストを投稿する。おおむね前者は映像に、後者はナレーションに対応する。それを1年間続けたものを『映画』とする。こんどは出来上がったテクストのうち、たとえばfootageのダイジェスト版をパワーポイントファイルに貼り付け、scriptのダイジェスト版を読み上げた音声ファイルをそのページに埋め込む。それを.ppt拡張子のまま『ファスト映画』という名前で公開あるいは販売する。これは結構愉快だと思う。