8月13日

 今は15日の昼。一昨日の日記を書くのを忘れていたことに気づいてびっくりした。昨日の日記を書かなきゃということは14日の朝からずっと頭の片隅にあったのだけど、いつの間にか「昨日」が昨日の昨日になっていた。書くのが翌日になるのが常態化してからもずっと毎日書くということは半年間欠かさずにきたので結構ショックだ。まあ起こってしまったことはしょうがない。そして日記が起こってしまった、その日をはみ出すことを書いたり書かなかったり書けなかったりするものである以上、このこと自体もどこか日記的なものだと思う。書かれる出来事と書くことのあいだで、本当にいろんなことが起こる。

 さて、それで13日のことなのだけど、福山のホテルをチェックアウトして、車で40分ほどのところにある実家に向かった。母の仕事の関係であんまり長居できないので1時間ほどの帰省だった。九州から中国地方にかけていたるところで大雨警報が出ていて、まだらに分厚くなった雨雲をくぐりながら山陰に戻る。中国山脈にぶつかる手前のところで通行止めになった区画があって、そこで高速を降りて一般道を30分ほど北上する。対向車が来てもすれ違えないような道で小さな山をひとつ抜けて、高速の入り口でそこから米子道に入れることを確認する。蒜山サービスエリアでご飯を食べて出ると真っ暗で、道にも灯りがまったくない。頼りになるのはせいぜい50メートル先くらいにしか届かないヘッドライトと、空中でかぼそく光るだけでまったく距離感のつかめない路側の反射板だけだ。ヘッドライトはまっすぐ前しか照らさないのでその外の暗闇で道がどれくらい曲がっているのかわからず、タコメーターの液晶に表示される近景のナビで道路の形を確認する。ほんのちょっとの傾きのカーブだと頭でわかっていても、正面で反射板が光るたびに曲がりきれずそこに突っ込むイメージがよぎる。近づくほどに反射板は後ずさりし、同時に道は向こうで誰かが引っ張ったように伸びていき本来の緩やかな傾きを取り戻す。米子から松江に向かって西に折れたあたりでやっと先行車を見つけて、そのあとはずっとそれを提灯のように100メートルほど先に置きながら走った。

投稿日:
カテゴリー: 日記