10月31日

父方の祖母が夢に出てきた。僕が高校生のときに亡くなった。おとなしいひとで、優しかった。スーパーや病院に行く以外山から降りることもほとんどなかったと思うが、いつ会っても化粧をしていたように思う。その家で叔父叔母が集まって籾播きをしたり、稲刈りをした。僕はたくさんいるいとこのなかでいちばん年下で、そこらへんの山や田んぼに水を運ぶ溝で虫を探したりアケビを食べたりしていた。いとこが連れている、僕が背中に乗れそうなくらい大きいシェパードが、彼がシューーと犬笛を鳴らすとどこからともなく走ってくる。畑で採れたトマトを祖母に渡されて、僕は当時トマトが嫌いだったのだが申し訳ないのでそのままかじったときの、夏の熱気でなおさら強烈になった植物の匂いを覚えている。夢の中で祖母はとても若く、そんなに若い祖母は見たことがないのだが、とにかく祖母で、山をぐねぐねと登る道路を歩く僕を見つけて声をかけてきた。一緒に歩いていると雨が降ってきて、すると若い祖父——彼は彼女が亡くなった2年後に亡くなった——がいて大きな薄茶色の傘をふたつ取り出してひとつを僕に渡して、もうひとつを自分で差して祖母と一緒に入った。これから彼らは結婚するんだと僕は思った。

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カテゴリー: 日記