日記の続き#38

先月から友達を誘って自主ゼミ的なものをやっている。書き終わるまで年単位の時間がかかる文章の中間報告的なものが、信頼できる友人どうしでできるといいなと思って始めた。長期的な仕事をひとりで淡々と進めるのはなかなか難しいし、互いのモチベーションになるような場があればいいなと。一方にそういう実利的な理由があって、他方でこういうのはちょっと僕らしくないのかなとも思うのだけど、なんだか最近切々と、5年後くらいには仲間がまったくいない状況になっているんじゃないかと思うことがあって、まったく偉そうな話だが、そういう未来は避けたいなと思って、同じような危機感をもっている人どうしで集まっておきたかった。今日は僕の発表の番で、こないだ書き終わった博論本の第二章を読んでもらって話をした。熱心に読んでもらえて、直接書きなおしに関わるような指摘もあれば極端に抽象的な話もあって、思い切って誘ってみてよかったなと思った。ひふみさんが僕の文章を読んでいるとときおりどういう気持ちなん?って思うと言っていて、こう書くとそれのどこがと思われそうだけど、僕にとっては完全にギクッとする指摘だった(普段の分析的な口調とのギャップも相まって。ひふみさんはそういう押し引きが本当に上手いと思う)。僕はテクストを縫って話の筋を通すことにいっぱいいっぱいになって、なんでその話をしているのかとか、面白がっているのか怒っているのかとか、ここは肩の力を抜いていいのかキツいところなのかとか、そういう感情的な起伏が文章から欠落してしまうのだ。それがいい方向に機能することもあるのをわかったうえで言ってくれているのもわかるし、よっぽどのことなのだろうなと思った。