日記の続き#47

にわかに忙しい。日記本を——もう1日数冊のペースに落ち着いているが——送ったり、日記本についてのエッセイを書いたり、日記本についてのトークイベントの企画のやりとりをしたり、日記本をめぐる選書企画の本をピックアップしたり、テーマは別だが日記についても話したインタビュー(する側)の原稿をなおしたりしている。これはなんだろうと思うと、普通に本を出したあと仕事が群生するのと同じ事態が起こっており、しかも中身を書いたのも本を作ったのも売るのも宣伝するのも僕なので、本としての規模は小さいが仕事が僕に集中しているのだ。とてもありがたいことで、それは希望でもあるのだが、あらためて本が出るというと人々が「おっ」と特別な視線を向けるのは不思議なことだと思う。ずっとひとりで書いていたし、本もBOOTHだけで粛々と売ることになるだろうと思っていたのだが、書店で取り扱ってもらえたり書店員や編集者から諸々のプロモーションの機会をもらえたり、執筆時の長い孤独が報われたようだ。ネットに書き続けているだけだと僕が書き手で、あとはいるかもわからない読者か非読者という貧しい世界に閉じ籠もりがちだったのを、本を作ることでデザイナー、印刷会社、書店員、編集者といった顔の見える仲介者たちが開いてくれたという感じがある。ものを作るのは大事という話。