日記の続き#60

いつもちゃんとパソコンで書いているのだが、今日はなんとなくスマホで。ここ2週間ほど日記本にまつわるいろいろでバタついており、たんにやることが多いだけでなく雑多な物体の移動をともなうことなので部屋も散らかり気味になり、いまメインで取り組んでいるところの博論本の執筆からもちょっと距離ができてしまっていた。そろそろ仕切り直そうと空になったまま転がしていた段ボール箱を畳んでまとめ、梱包材を集めてゴミ袋に入れ、カッターやら領収書やらが散らばった机の上も片付けた。スマホの「集中」というアプリを使って、1時間単位で集中して作業を進める。ちょっと手が止まった数秒の隙間に手遊びでウィンドウを切り替えたり、エディタを意味なくスクロールしたり、その惰性でメールを見たりしてしまう。体がまだ集中に慣れていない。それは本当に数秒の隙間なのだ。そこにいる悪魔を締め出すためにはセルフ・ディシプリン、セルフ・モニタリングを援助する聖具が必要になる。でもそれはあくまで「リハビリ」のためであって、聖具に囚われてしまってもしょうがない。たとえばこのアプリにはログの機能も付いているが、これを大事なものだと思いすぎるとかえって数日のサボりによってログが「汚れる」ことが気になってしまい、かえってアプリを使わなくなってしまったりする。腰の重さと手癖の悪さのあいだに集中はあるが、それは前者で後者を、後者で前者をはぐらかすような微妙な運動としてある。書いてみたらスマホでもこれくらいの文章ならストレスなく書けることに気がついた。これもまた手による腰のはぐらかしか。