日記の続き#67

6月12日。ここ数日うまくいっていない感じがするので、初心に帰って日記らしい日記を。日記飽きた!!とつぶやきそうになったのだがやめた。べつにいつやめたっていいと思うが、そういう気持ちになっているときは日々に対して抱えている屈託を日記に対する苛立ちにすり替えているだけで、でも日記は黙々とそのすり替えさえ受け入れるものでもあり、誰だってそういうものをひとつくらいもっていたほうがいいのだ。と思ったら彼女が座って手にバンテージを巻いており、こんな夜中にバンテージを巻く配偶者があるかと言ったら、こないだジムのタイ人トレーナーのクンさんに習った巻き方を試しているのだと言った。昨夜は彼女がジムから真っ赤な液体をペットボトルに入れて帰ってきて、それは何かと聞くとクンさんがお気に入りのシロップを水に混ぜてくれたのだが、甘すぎて飲めないのだと言っていた。たしかに置いているだけで蟻が寄ってきそうな甘い匂いがする。今朝、というかもう昼だったが、起きたら彼女は今度はサバットの練習に出かけていて、卵かけご飯を食べていると急にものすごい大雨が降ってきて窓を閉めた。すぐに止んで『日記〈私家版〉』の注文ぶんを発送しに出かけるとアパートの廊下の窓が開いていて床に水たまりができていた。帰ってきた彼女と近所の駅で待ち合わせてそのまま近くのココスで遅い昼ごはんを食べて、家に帰って遅い昼寝をした。玄関のチャイムが鳴って起きたが誰もおらず、ふらふらと布団に戻ると彼女が不思議そうにしており、どうやらチャイムは鳴っておらず僕が寝ぼけていただけだったということらしかった。