日記の続き#89

みなとみらいに髪を切りに行って、カプリチョーザで昼ご飯を食べて、帰ってきて低気圧のせいか頭が痛かったので薬を飲んで、もういちど出かけて珈琲館で作業をした。ものすごくうるさい女性二人組がいて、同伴がどうこうと繰り返し言っているのでキャバクラの人なのかと思っていたらしばらくして片方がそれは「同伴」じゃなくて「共犯」なのではないかと言っていた。数日前から作業が好調で、これはエディタと進め方を変えたのが大きかった。まずエディタについて言えば、WordやScrivenerはやはりとにかく書き進めるという段階で使うのには向いていないと思う。書くことに集中するうえで僕にとっていちばん大きいのは、行幅が可変であること(ウィンドウの大きさを変えたら勝手に伸び縮みすること)と、フォントの大きさがデータの側に埋め込まれておらず、もっぱらインターフェイスの側で調節できることだ。家で大きなモニターで作業しても外でラップトップで作業しても、さらにそのなかで複数のソフトを同時に開いても一定の読みやすさが保てるので作業に集中しやすい。他方で最近はとにかくworkflowyでプロット以上ドラフト未満のようなものを書き連ねていたのだけど、これはこれであまりにとっかかりがなく、workflowyはプロット、アイデア、引用を投げ込む場所に限定して、それを見ながらUlyssesでドラフトを書くことにした。これが進め方にも関係している。ここのところ「尺取り虫方式」と呼んでいるやりかたで進めていて、これがめっぽう調子がいい。まず、Ulyssesで行う〈執筆は夕食までの時間しかやってはいけない〉ということと、どれだけ筆が乗っても〈1日2000字以上書いてはいけない〉というルールを決める(必ず2000字書くということも決まりにするかはまだ決めていない)。そして、それ以外の時間は執筆ではなく、workflowy上に翌日の執筆のためのアイデア、プロット、引用を溜める作業をする。これの何がいいのかというと、執筆の終わりのなさを前にしてまだ準備が足りないからとうだうだしたり、あるいは空元気で突っ走ったりすることがなくなる。それと、準備のほうも漫然としたものにならず、「明日2000字書き進めるため」という具体的な手触りのある目標があるのでやる気も出るし、何より夜の時間に書かなきゃな、でもダルいなという葛藤を抱かなくてもいいのがとても楽だ。workflowyに投げるだけなら本を読みながら何か思いついた端からスマホで書き込むだけでいいし。執筆は日ごとの終業という観念が存在しない仕事なので、晩ご飯を食べたら終わりと思えるとそれだけでとても気が楽だし、それ以降のことは明日のことと割り切れるだけにかえってちゃんと準備をしようと思える。尺取り虫方式、よさそうだと思った人は試してみてほしい。