日記の続き#91

京都へ。朝、地下鉄で新横浜に向かっていて前に立った背が190センチくらいあるおじさんが、スラックスのベルトの穴にふたつのお守りを結んでいて、洗濯するときどうするんだろうと思った。彼は横浜で降りていって、空いた席に座ると向かいに裸のまま丸めたヨガマットを持ったおばさんが座っていた。平日の朝からヨガマットを裸で持って行くような場所が、横浜駅以北にあるんだろうかと考えた。ぼおっとしていると予約していた新幹線を乗り逃して次に来た電車の自由席に座った。ぜんぜん混んでいなくて予約してもしなくても同じじゃないかと思った。京都の手前で「愛知(えち)」と書いてある高校の看板が通り過ぎて、この町の人は人生で何度「愛知と書いてえちです」と言うのだろうと思った。京都駅でいつもの英國屋のテラス席に座って、いつもと気分を変えてアイスティーを頼んだのだが渋くておいしくなかった。急に涼しい風が吹いたなと思ったら、店員が隣のテーブルを消毒スプレーで拭いていてそれが風で流れてきているのだった。