日記の続き#204

いろいろあった日。大和田俊と遊ぶことになって、合流の連絡をしていると彼とバンドをやっている曽根裕さんが僕が読む詩の朗読を録音させてほしいと言っているということで、世田谷の梅ヶ丘という駅まで行った。駅で合流したふたりはギター2本と大きいスーツケースを2個持っていて、スタジオに入って荷物を置いてから大和田さんと近くのマックに行って昼ご飯を買って戻って食べた。曽根さんと会うのは2年前に高松にある彼の石彫の拠点で、焚き火の明かりを頼りにレクチャーをしたとき以来だ。バンドの練習のついでに朗読だけ録音するのかと思っていたら、ふたりの演奏と一緒に朗読してそれを一発録りするということだった。楽器をセットしているあいだに曽根さんの「石器時代最後の夜」という詩をいちど通して読んで、みんなで煙草休憩をして、曽根さんがノイズギターの演奏を始めて大和田さんがパソコンから電子音を鳴らしてしばらくして僕に合図をして、長めの詩を朗読した。いいのが録れたということで、結局それがなんになるのかわからなかったのだが、たぶん誰もわかっていないし、やりながら考えるのだろう。やってみてどうだったかと聞かれたのでそれぞれ勝手にやっているのに不思議と一緒にやっている感じがちゃんとあって楽しかったと言った。ふたりが楽器で遊んでいるのを聞いていると知らないおじさんがスタジオに入ってきて、いきなり照明を消して手に持っている板状のライトで曽根さんを照らしながら反対の手に持ったiPhoneで動画を撮り始めたので、本当にわけのわからない人たちだなと思ったが、後から聞くと彼は曽根さんの中学の同級生で、昨日買ったキャンプ用のライトを使ってみたかったらしい。

帰り道、HATE IS NOT CULTURE AND I HATE CULTUREという言葉を思い浮かんで頭のなかで繰り返していた。