日記の続き#206

兄の結婚式で妻と岡山に行く。10年ぶりくらいにスーツを引っ張り出して着て、サイズがそのままでよかったのだが、革靴を履いて歩くと爪先がぴょこぴょこ動くのが奇妙に誇張されて気になった。結婚式はすぐ終わった。祭壇の脇で神主がずっと笙を吹いていて、笙が欲しくなった。呼気でも吸気でも鳴る笛は呪術的で怖い。

最近日記に書こうと思っていたことを書いているうちに忘れてそのまま投稿してしまい、あとから気づくということが多い。せっかく買ったニンジンを入れ忘れて豚汁を作るみたいに。この機にふたつほど卸しておく。一昨夜、カタルシスの岸辺が開催している「死蔵データGP」の採点が締め切りだったのをすっかり忘れていて、10個ほどの応募作の採点とコメントを書いた。行き場のないデータを見て書いているうちに不思議と自分なりの評価基準が明確になってきて、久しぶりに批評家らしいことをしたなと思った。とくに気に入っているのは「死蔵」と「思い出」は違う、思い出は大切にしてほしいので低い点数にする、という評価。

先日梅ヶ丘に行ったとき曽根さんと大和田さんを待つあいだ駅の周りを歩いていて、「武蔵野レジデンス」というアパートの隣に「ふじみ野シャーメゾン」というアパートがあって、ここは「どっち野」なのかと思った。