日記の続き#237

博論本の原稿を読み返しながらドゥルーズの「反−実現」について考えていたからだと思うが、「哲学はあるっちゃあるしないっちゃないものの取り扱いだ」という言葉が思い浮かんで、「あるともないとも言わない」と付け加えてツイートした。哲学は、あるっちゃあるしないっちゃないものの、あるともないとも言わない取り扱いだ。だから概念が要るし(自由の概念が存在することは自由があるという言明とは違う)、哲学(philosophy)が愛(philia)と関わるのはそのためだ。これはドゥルーズについて僕が考えていることと、こないだ読んだ『パイドロス』のあいだに張られた糸として出てきた言葉かもしれない。恋を世俗的な損得に引き下げる、つまり恋をあまりに実現させすぎる言説に対するパリノードとして語られる哲学。エロスに報いる取り消しの歌。反−実現。