日記の続き#238

不思議なもので、あれほど8時に飲食店が閉まってしまうことを窮屈に思っていたのに、感染者数が落ち着いて緊急事態宣言が解かれると家を出る気がなくなってしまった。しばらく買い物以外でほとんど外に出ていないし、作業も家でやって、髭も剃らなくなってしまった。それはそれで落ち着いていろいろ進められるからいいのだけど、気づかないうちに何か鬱屈が澱のように溜まってしまうのだと思う。SNSはそういうもののはけ口として怖いくらいよくできていて、見ていると世界がぎゅーっと狭まって、抽象的なものになって、それで不用意なことを言ってしまったりする。落ち着くために翻訳を進めた。風呂に入ってストレッチもした。どうして自分を維持するというだけでこんなに大変なんだろう。そういう過酷さへの憎悪さえ食い物にされている。でもこの憎悪が削がれてしまうことのほうが怖い。(2021年12月7日