日記の続き#252

帰りの新幹線で名古屋駅に停まると、30人ほどの力士が乗り込んできた。思い思いの浴衣を着て、香水の甘い匂いが車両いっぱいに広がる。背もたれから飛び出した頭に乗った丁髷が列になって文鳥のようにぴょこぴょこと動いている。オーディブルで聴いている『それから』は「だいすけ」のところに甥の「せいたろう」が遊びに来たところで、ホットチョコレートを淹れてやるとそんなことより相撲を見せに連れて行ってくれとせがんだ。気づくと眠っていて、この新横浜はあの新横浜なのだろうかとしばらく考えて急いで飛び出した。