日記の続き#259

新横浜から衣笠のキャンパスまで3時間、結局ずっと『それから』を聴いていた。雲が富士山の麓が黒々としているのを強調して、静岡でいちど晴れ間にさしかかったが京都は暗い天気だった。「だいすけ」はあいかわらず実家で金をもらい、嫁をもらえと詰められていた。バスがキャンパスに着いてやっとイヤホンを外す。世間並みに戻るためにいつもバスから降りるときに外す。ファミリーマートに入ると資格の学校の宣伝がスピーカーから流れている。とにかく腹が減っていたが、食べたいものがなかった。空腹は自分を反抗的な存在にしくれるような気がした。ホットのレモンティーだけ買って喫煙所に出た。発表を6つ——ゲームのルールとフィクションの関係、近代日本語のオノマトペ、武満徹、ゲームのコントローラー、現代アメリカの肥満表象、戦後の東映のメディア戦略——聴いて外に出ると夜だった。

河原町の喫茶店で黒嵜さんと合流すると空の皿がテーブルにあって、腹が減っていて先に食べてしまったというので、僕もすぐにオムライスを注文した。