日記の続き#282

ヤクザなのか半グレなのかわからないが、喫茶店に借金の取り立て方法を話し合っているらしいグループがいた。どういうわけかこういうひとらはたいてい、グループのうちひとりが大げさにあいさつしながら店を出たり、またべつのひとが入ってきたりする。そこにはまた独特な空間のスケール感があって、僕はある席に座っているひとに話しかけるためにはそこから1m圏内に近づくのが自然だと感じるが、彼らは店の入口から席に向かって「おつかれさん」とか言うことにためらいがない。そのグループだけ半分外にいるような変な空間になる。借金をしているのはマジシャンらしかった。

それにしても、ものを言うことが通販サイトの商品ページに足跡を残すことと大差なくなってしまった世界で、長い文章を書くことにどういう意味があるのだろうか。たとえばこのサイトには1日300人前後が訪れていて、その平均滞在時間が1分半くらいだということなのだが、この数字はどれくらいレジスタンスとしてめぼしいのだろうか。