深夜、お腹が減って、夜中でも開いているいちばん近所の店が松のやで、その松のやに行った。とんかつ定食の食券を買って水を注いで席について、これから食べる豚がいかに優れた豚であるかを宣伝する店内放送を聴きながら番号で呼ばれるのを待っていた。
壁にはこれもまたこれから食べる豚がいかに優れた豚であるかを宣伝するポスターが貼られており、店を見渡すと、松屋グループの廃油が飛行機の燃料に使われている旨を知らせるポスターも貼られていた。なんと年間で東京大阪間を238回飛ぶ量の廃油が提供されていて、それは「FRY to FLY Project」と呼ばれているらしい。久しく見ない愉快なニュースに元気が出た。ピンチョン的なユーモアというか。豚を揚げる。飛行機を飛ばす。なんだっていいのだ。