6月23日(日本人的)

家を出ると前の道が工事でほとんど塞がっている。パイロンで仕切られた端っこに向かうと、黒人の作業員が軽くお辞儀をしながら手をかすかに差し出して誘導してくれた。その動作はきわめて日本人的で、同時に、ちょうどその現場を抜けたところにあるセブンのサンティアゴさんという中年の女性店員のことが頭をよぎった。ブラジルかペルー出身とおぼしき彼女の言葉にはうっすら訛りが残っているが、レジに商品を持っていき、PayPayの画面を差し出すと、ピンク色の尖った爪をした右手にスキャナを持ち、そこに軽く左手を添える所作が、やはり否応なく日本人的で、こうしたことが習得可能であるのだということに、そこにあったのかなかったのかわからない摩擦に、いつもちょっとたじろいでしまう。

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カテゴリー: 日記