6月24日(末續慎吾)

YouTubeで末續慎吾と武井壮の対談動画が出てきて、アスリートの話を聴くのが好きなので見てみたら、末續は2003年のパリ世界陸上で200m3位というその後も並ぶ者のいない偉業をなし(まだ彼の日本記録も破られていない)、その先を求めるプレッシャーのなかで苦悩し、いちどかなり深刻に精神を病んでしまっていたらしい。いま彼は45歳で、100mで世界陸上の出場を目指して再起している。いや、目指していたのだが、その対談のあと、いまから2週間ほど前、全国大会に出場するための基準タイムを目指す最後のレースで基準の10秒3に到達せず、その夢も途絶えてしまった。それでも10秒8は出ていて、とんでもないことだなと思うのだが、レースのあと彼は泣いていて、三浦カズがいたずらに現役を延ばすようなものとはぜんぜん違ったのだろうな、45歳で10秒台前半を実現する走りに到達している自信がマジであったのだろうなと思う。それは世界陸上銅メダル、20秒03という20年以上破られていない日本記録というものの外に自分のアイデンティティがあるのだということを示す復讐のようなものですらあったのだろう。

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カテゴリー: 日記