6月29日

銀座エルメスでの展示ブックレットにレビューを書いて、これで晴れて「エルメスとコラボした批評家」になったのだが、エルメスともなると単発の出入り業者に対しても求める(原稿とは別の)ペーパーワークの量がすごい。まず、機密保護、労働条件および人権の保護、環境保護等々についてのエルメスグループの倫理規定が書かれた「サプライヤーオブコンダクト」という20ページほどもある同意書が送られてきて、オンライン署名サービスを介してそれに署名をする。それとは別に原稿の著作権についての契約書がこちらは紙で送られてきて、署名をする。さらに見積書をこちらで作成し、向こうの同意を得(同意も何も依頼時点で決まっていることなのだが)、請求書を送る。そもそも原稿仕事で請求書を要求されること自体が毎回ちょっと嫌なのだが(ふつうの版元に要求されることはない。しかし思えば、請求書もなければ契約書もなく、こちらは口座情報を教えているだけで、どういうロジックでそれが外注の業務である、あるいはプロダクトの納品であるということが確定してるのだろうか)、窓口も依頼をくれたキュレーター、企画寄りの事務的なこともする人らしき人、純粋な事務方らしき人の3人に分かれており、見慣れない書類やらウェブアプリやらに囲まれ、ちょっとした『城』気分で、それはそれでよかった。

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カテゴリー: 日記