非常勤の講義が、なぜか期末レポートではなく期末試験をすることが必須になっており、紙媒体持込み可にはできるので、あらかじめ伝えておいた問題への解答を持参して、それをその場で解答用紙に書き写すという、カフカ的な妥協点に落ち着いた。試験の実施方法と問題の内容を今日までに教務に提出する必要があるが、書類を見てもなにがなんだかわからないので、早めに大学に行って直接聞くことにした。2時間ほどしか寝ておらず、灼熱のキャンパスを教務がある建物を探して歩き、カウンターで試験担当に取り次いでもらう。僕はこれまで10年以上大学というものと付き合ってきて、ほとんど事務の人に冷たくされた思い出しかなく、気が重かったのだが、試験をするのが初めてでなにがなんだかわからないのですがと言うと、とても丁寧に教えてくれて、一緒に書類を埋めた。メールで催促されると勝手に相手を悪魔化してしまうが、直接会えばいいのだ。当日は結局何がどういう順序で起こるのかと聞くと、いちど教員が集合してその場で試験の進め方を説明し、解答用紙を配ったり試験監督と引き合わせたりするが、それについての書類が近日中に届くはずだと言われる。話を聴いているあいだもあとからあとから汗が流れてくる。寝不足、灼熱からオフィスで急冷され、頭の半分で次の瞬間には倒れてしまうのではないかと考えていた。