『置き配的』の告知をするまで、そして告知をしてからしばらくは気持ちがざわざわしていたが、いまは落ち着いた。
シットとシッポの収録で外苑前に向かう。銀座線に乗っていると隣に立ったおばあさんのスマホが見えて、LINEで「ちょっと込み入っているから」、「でも無いか」、「うーん」、「この気持ちはラインでは伝わらない」と書いていた。「無い」が漢字なのと、「ライン」がカタカナなのが気になった。そのことと、返答を待たずに間投詞で区切ってチャットを投げる今っぽさと、フリック入力の素早さとが共存している。現実は情報量が多くてよい。
夜、妻が作ってくれた参鶏湯をテーブルに準備してテレビをつけると、日本シリーズの阪神対ソフトバンクがやっていた。最近YouTubeで野球関係の動画をよく見ているわりに試合はぜんぜん見ていないし現役選手のことも知らないのでそのままにしていると、妻は野球はわからないから見たくないと言った。僕も知らないがルールは分かるので、点が入る仕組み、2ストライク以降はファウルがストライクにカウントされないこと、なぜピッチャーは牽制球を投げるのか、果ては犠牲フライまで説明する。村上春樹にも犠牲フライを説明する場面があったようなと思ってググったが出てこなかった。記憶が牡蠣フライと混線しているのだろうか。だいたいわかると妻は僕より熱心に見始めて、煙草を吸いに行こうとすると止められる。今度ハマスタに見に行こうよと言われて、4月まで次のシーズンは始まらないよと答える。