日記の続き#194

珈琲館というカードを午前中に切ってしまったので、いちど家に帰って洗濯と昼食を済ませて関内のルノアールまで歩いて行った。こうして1年半も日記を書いていると、一日の出来事とそれを振り返って書くことという関係ではなく、それこそ洗濯と昼食のようにただ一日のうちにあって互いに無関心であるような並列的なこととして、日記のための領域と非日記的な領域のあいだにいつのまにか効率的な仕切りのようなものができてしまう。それは日記を書く時間が安定的に確保されるということではなく、一日の全体のうちに日記のためのゾーンが僕の頭のなかの思いなしも含めて決まりきってくる。つまり、日記的な洗濯もあれば非日記的な洗濯もあり、本来それをジャッジするのが日記の役割であるはずなのだが、そこを素通りできるほどになってきてしまっているのだ。ルノアールから帰って、茄子がたくさんあるので麻婆茄子にしようと思って、スーパーに挽き肉を買いに行って、茄子をどうやって切るのがいいだろうかと考えながら帰った。「帰り道に茄子をどうやって切るか考える」と日記用のメモに書いて、まだ新しいことはあると思った。