3月5日

 先日書き終わった大和田俊の個展評を読み返したりしている。2000字の依頼だったのだけど6000字になってしまった。展示の批評で2000字というのは、どうしてもステートメント等ですでになされている概説的な言葉に寄りかかりつつ、そこからはみ出す部分を作品の細部から拾って評価するみたいな感じになってしまうと思う。じゃあ重めの概説でいいじゃんというのは論外として、そこから抜け出そうとすると初手からこれは文体実践の場なんだと割り切って読み物としての自律性に重きを置くというオプションがまず思い浮かぶが、これはこれで書かれたものと作品を繋ぐ回路がよほどしっかりしていないと小手先の曲芸的な仕事になってしまう。他にもいろいろやりようはある。でもそんなやりようを考えるくらいなら書きたいように書いて字数超過なんて素知らぬ顔で出してしまえばいい。公募作や査読論文じゃないんだし、下請け仕事でもないんだし。話はそこから始まる。

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カテゴリー: 日記