3月6日

 ゆっくりとではあるが確実に、起きる時間が昼にずれ込みつつある。この家はやたら日当たりがよくて、起きて1本目の煙草をベランダで吸うのが気持ちいい。起きたらもう日が暮れつつあるという感じには引っ越してからまだなっていないが、想像するだにダウナーな感じがする。前の家は大きな腰窓の外に洗濯物を干すための長細いスペースがあるだけでベランダもなかったし、1日中分厚い遮光カーテンを閉めたままにしていた。こういう少し暖かくなり始めた季節に昼ごろまで起きていてコンビニに行ったりするために外に出ると、いきなり叩きつけられる陽光がどうにかなりそうなくらい気持ちよかった。見上げたビルの稜線——稜線は山に使う言葉だがともかく——に吸い込まれていくような開放感がある。そう思うとベランダは外に出ることの強烈さを減じてしまうかもしれない。

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カテゴリー: 日記