4月10日

 友達の家でご飯をご馳走になって喋っていると遅くなってしまい、終電で横浜駅までしか帰れなかった。タクシー乗り場で前に並んだ若い男の人がいやマジもうそういうメンタルなんでと絞り出すような乾いた声で笑いながら、先輩にたぶん今夜会った女の人とうまくいかなかった、でもぜんぜん大丈夫なんだというような電話をしていた。どんなにダメなデートでもひとりで静かに帰りたいと思う。せっかくタクシーに乗るんだし。

 家を出る前に冷蔵庫に入れておいた、ピンクグレープフルーツフレーバーのペリエを飲む。ここのところずっと近所のまいばすけっとで買ったウィルキンソンのグレープフルーツばかり飲んでいたが、どうせ毎日飲むから箱で買おうとamazonを見ていたら見つけたものだ。いつもの緑のボトルにピンクのキャップが付いているのはどうなんだろうと思うけどとても美味しい。ウィルキンソンは粗くて強い炭酸でフレーバーの苦味も感じるソリッドな飲み口なのだけど、ペリエにはミント的な抜け感がある。あっさりして粒度の高い、砂浜を引く波のような感触だ。翻って思うのはコカコーラのあの、飲んだそばから喉が渇くような甘さと痛覚に達するような強い炭酸は何なのかということだ。コーラ、ウィルキンソン、ペリエ。これは好みの変遷というより拡張で、いまだに折に触れてコーラも飲む。ウィルキンソンまではコーラの代用品という感じだったがペリエまでくると何かひとつの軸ができつつある。塩味とか油分とかいろんな軸が食生活を貫いているが、コーラが教えてくれるのはそれが痛みという軸だということだ。水は痛くないコーラだ、と言うにはまだ至っていないけど。

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カテゴリー: 日記