5月24日

 母から実家の犬が亡くなったと連絡があった。名前はコチ。白と黒のチワワで、高校生のときに家に来て、僕が名前を付けさせてもらった。12歳と9ヶ月。連絡を見てすぐ思い出したのは前の犬、ナナというシーズーが亡くなったときのことだった。ナナもコチも世話をしていたのは実家で一緒に住んでいるじいちゃんばあちゃんだった。ナナが亡くなって、縁側に置かれた寝床に横たえられていて、死んだときの様子をばあちゃんが語るのを聞きながら亡骸を撫でていた。水の溜まったお腹が膨れていた。ばあちゃんのことが心配になり、母に電話で折り返してひととおり様子を聞いて、ばあちゃんに代わってもらった。朝目が覚めたときはまだ生きていて、彼女の横で寝ていたが気づいたら寝巻きが濡れていて、もう亡くなっていたということだった。語気がしっかりしていることを確かめながらなるべく大きく相槌を打って、散歩の相手がおらんくなってさみしゅうなるねと言ったが聞き取れないようなので長生きしいよと言ったら、看護師をやっている母がプロフェッショナルな優しさを感じる口ぶりで長生きしいよってと繰り返した。

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カテゴリー: 日記