11月17日

部屋で裏地がナイロンのボアベストを羽織っているからか、煙草を吸いに台所に行ったりするたびに、どこかに触ると指先にパチっと静電気が走る。夜になるとその頻度が上がるような気がする。最初のうちは煩わしかったが慣れてしまってからはクリックみたいなものだと思うようになってきた。タップ&スワイプという擬似的な点への接触が静電気を気取られることなく用いているのに対して、実際の接触にともなうパチっと鳴る静電気はある種のキアスムの関係にある。タッチスクリーンが「タッチ」を偽装するためにピクセルというリアルを隠蔽するのに対して、痛みをともなう静電気は実際のタッチを点的なクリックに翻訳するのだ。とか考えながら煙草を吸っていた。

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カテゴリー: 日記