日記の続き#61


昨夜、というよりもう明け方なのだが、布団に入って体はもう眠っていてじーんと痺れるような感覚があるのに頭はまだ冴えているような、勝手に「ヴァルドマール状態」と呼んでいる状態(金縛りにはなったことがない)のときに、どこかで重たいドアが開くような音がした。それはレントゲン室や防音室のドアのような、開けると同時に空気が滑り込んでいくような音で、半分寝ていたからかその音が妙に生々しく、自分の臓腑が気圧差に引っ張られていくように聞こえた。しかし玄関のドアが開いたわけでもないし、他にそんなにはっきりと聞こえるほど近くにドアがあるわけでもないし、何の音なのだろうと思っているあいだに寝ていた。
別の話。イヤホンにはノイズキャンセリング機能も付いているけど、「アンビエントサウンド」という周囲の音を取り込む機能も付いている。あまり使うことはないがイヤホンを着けたままコンビニのレジに行くときなんかに使っていて、今日は作業の帰りにタバコを買うときに使ってからオンにしたまま歩いていた。走り抜ける車の音や自分の足音や衣擦れがとても平板に聞こえて、なんだかSEを貼り付けられているゲームのキャラクターになったみたいだと思った。階段を上がると階段を上がる音がする。