日記の続き#171

夕方、彼女が甥の誕生日プレゼントを買いに横浜に行くのに付いていった。僕の甥でもあるわけだが、結婚したら親と兄姉が増えてその子供が甥になるという形式性、というより、自分が当のその形式の一項になっているという事実と実際の付き合いのなかで人として接するときの様々とが、いまだにすっきり噛み合っていない感じがする。それをなんとか繋ぎ止めているのがプレゼントだということなのだろうが、そんな醒めた「構造」的な理解は先のアンビバレンスを反復しているだけだ。この夏に松江に滞在して——彼女の祖父が住んでいたマンションの一室を自由に使わせてくれる。そこからは宍道湖が見下ろせて、花火がよく見えた——初めて姉夫婦と甥にも会った。ゴムボールを蹴って遊んだり、なぜか料理が上手いということになっていてみんなに筑前煮を作ったりした。プレゼントはノースフェイスの温かそうな上着にした。