日記の続き#191

東京駅から東北新幹線に乗って、那須塩原の板室温泉にある大黒屋という旅館で始まった五月女さんの個展を見に行く。駅からタクシーで平野の向こうに見える那須岳に向かって北上する。山にぶつかってすこしのところの渓谷に板室温泉はあって、温泉街と言っても営業している旅館はふたつくらいで、周りにはコンビニもない。フロントでこのあたりで煙草を買えるところはあるかと聞くとないということで、フロントにある煙草からマルボロメンソールを選んで買った。部屋から見下ろせる綺麗な川を見に出ると、これより上には誰も住んでいないからこんなに綺麗なのだということだった。しばらく周りを散歩して、部屋で夕飯を食べて、温泉に入った。袖が邪魔で浴衣を着てご飯を食べるのは難しい。昔、なぜか檜垣先生のゼミ旅行に着いて行ったことがあって、そこにはもうひとりの部外者としてアンヌ・ソヴァニャルグさんも来ていた。みんなで車2台に分かれて熊野まで行って、竜宮城という船でしか行けない温泉宿に泊まったのだが、そこでアンヌさんが旅館内で浴衣を着て過ごすことに戸惑っていたのを思い出した。風呂のシャンプーがタイ料理みたいな匂いで、リンスはヨーグルトみたいだった。シャンプーをするとたちどころに髪の毛がきしきしになったので心配になったが、リンスをすると直った。夜にしばらくこっちに滞在しているらしい五月女さんとさちさんと会って、サロンでしばらくお喋りした。