日記の続き#242

ワールドカップを見ていると「リスペクトしすぎる」という言葉がよく使われていて奇妙に思う。格上相手に積極的にボールに向かえず後手に回るということなのだが、要はビビっているのであって、しかしビビっているという言葉を避ける心性のよりどころとしていつのまにかそういう奇妙な言葉が繁茂してしまっているのだ。あらためてミームというのは恐ろしい。まずボールとゴールがあって、その手前に自分らが、そのあいだに——たまたま、と言ってもいいかもしれない——相手がいる。そういう順番で考えていればそんな言葉は出てこないはずだ。彼らはまず相手がいて、それとの折衝如何でゴール——得点という意味ですらなく——があったりなかったりすると考えている。くだらない。