日記の続き#59

6月4日。30歳の誕生日。24歳だった気もするし、15歳だった気もする。今日はコメダで作業をしていると3時で時計が鳴って「ダニー・ボーイ」が流れてきて悲しい気持ちになった。外を歩いているとウーバーイーツの自転車のハンドルに指を広げたくらいの大きさの傘が付いていて、まさかと思ってスマホで「スマホ 日除け」と検索するとそれと同じ、スマホスタンドにちっちゃい傘がくっついたものが売られていた。そういえば去年の日記のどこかに、コメダの喫煙ブースで配達員が話していいて、夏は日差しでスマホがダメになって大変だと言っていたと書いた気がする。最初彼らはPがどうとかDがどうとか言っていて、なんだろう、テレビ関係者なのかなと思って聞き耳を立てると配達員らしく、PとDはどうやら「ピック」と「ドロップ」のことのようだった。受注から配達までスマホひとつでできるようになっても夏の日差しには勝てないのだ。それにしても、食べ物の配達を「ドロップ」と呼ぶのはさすがに即物的にもほどがあるのではないだろうか。たぶん英語ではタクシーで人を降ろしたりするのもドロップと言うのだけど、食べ物もそうなのだろうか。ウーバーイーツが配車サービスのウーバーから来ていることは関係あるのだろうか。日本語だと「置き配」が一般化したけど、届け物を「届ける」のではくドロップしたり置いたりする即物性と、スマホをダメにする日差しの即物性は、どこが似ていてどこが違うのか、とか。