4月19日

 昼寝から起きて、ユニクロで買って帰ったTシャツのタグを切った鋏が口を開けて机にあったので閉じてしまった。初対面の人に会うと、知らない人だと思う。顔はあまりに新規なのであまり見ないようにする。言葉になってしまえばもう知っている人だ。人との別れ方にもいろいろあって、ある瞬間にこの人を知らないと思ったり思われたりして別れることもあるんじゃないかと思う。それが、盗み見たチャットの言葉遣いのこともあるだろうし、連れて行かれたつけ麺屋の匂いであることだってあるだろうし、椅子の引き方かもしれない。もう取り返しがつかないくらい知らない人だと思う。誰もが誰をも知らない可能性があまりに怖いので「この人」の知らなさで済ませたくなるのかもしれない。本当にそれを怖がっているのかはわからない。

投稿日:
カテゴリー: 日記