5月16日

 隣家の屋根に飛んでいった洗濯物を物干し竿で釣り上げたり、おばあさんに道を教えたりした。原稿がなかなか進まない。批判的な内容を書くのはものすごい負担だ。今まで書いたのだと貝島桃代がキュレーションをしたヴァネチアビエンナーレ国際建築展日本館の批評と、廣瀬純の『眼がスクリーンになるとき』書評への反論が批判が主目的になっている文章だった。前者は小さな炎上と言えるような反応があって、どの炎上もそうであるように議論の内容ではなくたんに貝島ないしアトリエワンを批判したということへの過剰な反応があった。擁護してくれた人もたくさんいたけど、個々人への興味は別として総体として建築は怖いなと思った。読み返してみても何がそんなに引っかかるのかわからない。書評リプライの方はなんでこんなのが学会誌に載ってしまったんだというほどのめちゃくちゃな書評だったので、ほとんど義務感で書いた。読んで、落ち着いて、学会にメールしてウェブのニューズレターに反論を書かせてくれと頼んで、書いた。すごい負担だ。どちらのケースも批判した当人からの応答はなかった。それでいいと思う。医者だって誰かの患者になるように、批判対象ですら読むときはひとりの読者だ。他の読者と同じように勝手に読んで勝手に引き受けるなり無視するなりすればいい。

 そう、それで、原稿がなかなか進まない。これだけ日記を書いているんだから締め切りを延ばしてくれればいいのに。

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カテゴリー: 日記