7月31日

 夜に配信でうらあやかさんと日記について喋りながら散歩をした。途中で猫でもなく狸でもない動物を見た。猫よりボサボサしていて、狸より尻尾が長い。アライグマだったのだろうか。帰って本を読んでいると小さい蟻が服の上を這っているのを2匹見つけて、座って喋っていたときに登ってきたらしい。日記の恒常的なネタ切れ感の話になったときに、この感じは、口座も空っぽで現金が完全になくなって、あらゆる買い物をクレジットカードでする感覚に似ていると思うという話をした。仕事で書くものは準備があって執筆があり、予算があって執行するようなものだが、日記にはそのタメがない。唯一元手となるその日の出来事はたいていスカスカなので、どうにかしてそこから別のいつか、どこか、何かへのフックを見つける。しかしなんであれ書くということは予算オーバーしてからが本番とも思うし、その超過分を次の文章で別の借金をしつつ返していくことしかできない。日記が特殊なのは、それがスケールしていく循環を生まないことかもしれない。本当の——そしてあまりにありふれた——貧乏人が大きな借金をしないように。貧しくなっていく日本しか見ていない我が身をそこに重ね合わせているのかもしれない。

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カテゴリー: 日記